最近、離乳&5月生まれ親仔の放牧地を見るたびに、フッと笑ってしまいます。
ダンスインザダーク牝馬・母さんの周りには、4頭の仔馬がぞろぞろ。
自分の仔、ダンスちゃんに加えて、ディープインパクト牝馬、ネオユニヴァース牡馬。
さらには、まだ離乳していない、クロフネ牡馬までが、くっついているのです。
クロフネ母さんは、遠くの方で、ひとり、草をムシャムシャ。
マイペースな彼女は、夢中で草を食べるうちに、皆とどんどん離れていってしまうクセがあり・・・。
冷たい風が吹く今日も、またまたそんな光景が広がっていました。
風を避け、座って休憩中のダンス母さんの後ろで寝ているのは、クロフネ・ジュニアくん。
ディープちゃんが、ちょっかいをかけに行き、
「何するんだい!」
そこへ、ネオくんも回り込んできて、「おい、おい、起きろよ!」
仕方なく立ち上がったクロくん。
そして、四兄弟を持つ母のような顔で、デーンと座っている、ダンス母さん。
今度は、立ち上がって居眠り。
足下で寝ているのは、ダンスちゃんと、再びやって来たクロくん。
ディープとネオも、やっぱり、近くでちょろちょろしていて、どう見ても、家族のよう。
今まで、目立って子煩悩なところもなかったダンス母さんですが、母のいなくなった二頭をさりげなく受け入れてやっているような気がしてなりません。
先日、お知らせした、本当の初仔(2歳)は、明日の札幌でデビューする予定で、あちこちの新聞等で”期待の新馬”ととり上げられていましたが、直前に、「万全ではない」と、取り止めました。
残念な気持ちもありましたが、無理に使わない、馬を大事にする調教師さんに、今は逆に感謝です。
次回、この不思議な母さんに、良い報告ができますように・・・。
ディープインパクト当歳牝馬のお姉ちゃん、A.P.Indy1歳牝馬。
レントゲンで骨にも問題が見当たらなかったため、育成牧場への移動を前に、初期馴致を始めています。
三日目となった昨日は、晴天ながら、ものすごい強風が吹く荒天。
神経質な馬なら、キリキリしても仕方がないような音と風の中、ロンギ場に出されました。
仲間と行動することを好む馬は、こうして一頭でいることすら、試練。
最初は仲間を呼んでいなないていた彼女も、日に日に学習して、人間の指示が聞けるようになってきました。
壁に沿って走ること。
簡単そうに見えても、言葉の通じない馬には、これがなかなか大変で。
厩舎に帰りたくなってしまったA.P.は、入ってきた扉の前で立ち止まり、「出たいよぉ」と、目で訴えていました。
気を取り直して、再び開始。
舞い上がる砂、風の音にも負けず、けなげに頑張ります。
「よくやった」と、厩舎に戻った後は、洗い場で、シャンプーをしてもらいました。
人間と馬との信頼関係づくり、初歩段階は、本当に大変です。
がらんと空いた馬房は、先日、育成牧場へ移動していった、クロフネ1歳牡馬が使っていたところ。
彼は、ここでしっかり馴致を行った後、出て行ったので、すでに、乗り運動に入っているそうです。
きれいに掃除をし終わった馬房に、クロフネくんの名残はありませんが、目を閉じれば、彼の姿が浮かんできます。
離乳した当歳たちが、こちらへやって来る日まで、少し寂しい馬房です・・・。
今日は、秋分。雨のち晴れの予報通り、午後から良い天気になりましたが、強風が吹き荒れました。
風に波打つ青草をムシャムシャと食べているのは、ディープインパクト牝馬。
天高く馬肥ゆる秋・・・に、なってきました。
近くの川では、鮭の遡上も始まっています。
放牧地の隅にいた、カルガモの親子が、私の存在に気付き、突然飛び立っていきました。
今年生まれた若鳥は、警戒心の強い親鳥に、まだ色々なことを教わっている最中なのでしょう。
すでに離乳したディープは、もう母親から教わることは出来ません。
西に傾いた太陽の光を浴び、放牧地の中では、仲間と共に・・・。
結構、強気な面を見せるディープちゃんですが。
集牧は、強い母に引率されたダンスインザダーク牝馬、クロフネ牡馬の方が、先。
順番を待っている間、目の前にいるクロフネ親仔が授乳を始め、
「どんな気持ちでいるのだろう」と、母のいない二頭が、少し、かわいそうな気持ちになりました。
離乳6日目となったディープインパクト牝馬、ネオユニヴァース牡馬。
今日も、5月生まれ親仔と共に、仲良く、放牧生活。
私も一緒に歩いていると、目の前に、お化けキノコが現れ、びっくりしました。
かなり前に落とされた馬糞の中から、にょきにょきと・・・。
写真では小さく見えますが、これが近くで見ると、なかなかのサイズで。
今年の雨の多さを物語っているなぁ・・・と、しみじみ思いました。
雨が多くても、やっぱり、のどが渇いてしまうのが、離乳組。
今まで、ちょこちょこ飲んでいた母乳を失い、水分は、水飲み場の水で補うしかありません。
ゴクゴクゴク。結構、長い時間、二頭で首を伸ばしていました。
と、思ったら、ディープちゃん、今度は、ダンスインザダーク牝馬に接近。
これ・・・・、なんと、乳を探しているのです。
みんなで、移動した後、今度は、ネオくんと遊んでいるクロフネ牡馬に近付き。
「うーん、ここにもないなぁ」
「この辺に、あるはずなんだけどなぁ・・・」
「やっぱり、ないかぁ」
よその母さんたちには、恐ろしいのか、首を伸ばしません。
最後は、一緒に離乳した、ネオユニヴァース・ジュニアくんに。
この中では、一番お姉さんのはずですが、6ヵ月間続けてきた習慣は、なかなか抜けそうにないディープちゃん。
まだまだ、かわいい仔馬なのでした。
9月になって、暑い日が多い北海道。
でも、季節は少しずつ移り変わり、ナナカマドの実が真っ赤に色付いています。
牧場の秋は、別れの季節。当歳は、離乳。1歳は、移動。
今日、その移動の先陣を切って、クロフネ1歳牡馬が、牧場をあとにしました。
昨日は、夜間放牧をやめ、馬房でゆっくり休養したクロフネくん。
早朝からパドックに放され、青空をバックにのんびり・・・です。
鼻筋をなでると、気持ち良さそうにして、あいかわらずの人懐っこさ。
「戦闘モード、まるで無しだなぁ」
これから育成牧場での調教が始まることなど、本人(馬)はまったく知らないのだから、仕方ありません。
出発が近くなり、最後の手入れ。
一年半の間、世話をしてきたスタッフの手にも、力が入ります。
仲間と共に過ごした厩舎の長い廊下を歩くのも、今日で最後。
せり会場への往復で、もう乗りなれた馬運車の暗い車内へ、すっと入っていき、彼の姿は見えなくなりました。
出発した車を見て、いなないているのは、昨日までの友。
エンジンの音にまぎれて聞こえなかったのか、クロフネくんからの返事はありませんでした。
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