今日は、午後から晴れました。涼しい風が吹いて、快適度もアップ。
離乳して二週間が経過した、早生まれ組は、太陽の下で、ゆったりと草を食んでいました。
一頭の仔馬が、草の上にコロン。
考えてみれば、離乳してから、放牧地で寝ている姿を見るのは、これが初めてです。
「やっと、リラックスできるようになったんだね・・・」
近くに、今までのように母馬の姿はなく、なんだか寂しげな背中。
いえ、悲しみを乗り越えた、力強い背中にも見えます。
つられるように、周りの仔馬たちも、コロン、コロン。
母は見守ってなくても、大きな北の大地が、彼らをゆったりと包んでくれています。
しばらくして、目を覚ました仔馬たち。
以前より、すっかり仲良しになったこの二頭は、この先一年間も、ずっと”友達”でしょう。
雨の日も、風の日も、励まし合って、強い体をつくっていく、かけがえのない仲間。
私の心も、やっと晴れてきました。
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昨晩から、短時間に強い雨が降ったりやんだり・・・という天気が続いています。
夜中、突然の雨に降られると、夜間放牧をしている馬たちが気になって仕方ありません。
「暗闇の中、どうしているんだろう?」
でも、最近は気温が高いので、心配には及ばず。みんな、朝、平気な顔で厩舎に戻ってきます。
昼夜放牧を始めて間もない、繁殖牝馬たちは、強めのシャワーを浴びた感覚なのか、さっぱり!
今朝は、普段より勢い良く、歩いていました。
一度やんでいた雨が、再び滝のように降ってきたのは、午前八時過ぎのこと。
今年生まれた仔馬たちにとっては、初めての、強烈な雨!
どうしているのか、いてもたってもいられなくなり、傘をさして飛び出してみると・・・。
意外や意外。親仔馬たちも、平気な顔で、草を食んでいました。
左端のクロフネ牡馬は、顔を上げて立っています。
放牧地で、立ったまま居眠りをしていると、体が弱っていることが多いので注意が必要なのですが、この時は、すぐに動き出したので、大丈夫でした。
笑ってしまったのは、ネオユニヴァース牡馬。
どしゃ降りにもまったくめげず、あいかわらず、他馬にちょっかいをかけまくり。
迷惑そうなディープインパクト牝馬を含め、いつもと変わらない光景が広がっていたので、ホッと安心して、家に帰りました。
今日の主役は、ダンスインザダークの牝馬。
もうすぐ生後ひと月となり、動きに余裕が出てきたなぁ・・・と眺めていたところ、いきなり跳ね始めました。
母親相手に、立ち上がったり、横っ飛びをしたり、元気いっぱい。
栗毛のか弱そうなお嬢様だと思っていたら、そうでもないみたいです。
その場でジャンプを繰り返した後、今度は、何か体にみなぎる力を発散するかのように、猛スピードで走り出しました。
「うわっ、元気ぃ!」
ところが、その後、「ヒヒーン」という高い声と共に、もう一頭、疾走する仔馬が出現。
母馬たちもその声に驚いて、辺りは騒然と。
「え?なになに?」突然の出来事に目を丸くしていると、やがて真相がつかめました。
ただ一頭、草の上ですやすやと眠っていた、クロフネ・ジュニアくんが、ダンスちゃんの疾走する地響きに仰天!
あわてて起きたのはいいけれど、母親の行方がわからず、ますます驚いて駆け回り・・・。
おまけにダンスちゃんの母を、自分の親と間違えて、反対方向へ。
大急ぎで駆けつけたクロフネ・ジュニア母さんに、やっと助けられ、一件落着、と相成ったのでした。
「あー、びっくりした。誰だよ。寝てたのにぃ!」とジュニアくん。
母どうし仲良しなので、危険はありませんが、親も仔も栗毛で、サイズも一緒。
遠目から見ると、本当によく似た親仔なので、間違えるのも無理はありませんね。
今年、最後に生まれたクロフネの牡馬は、今日でやっと生後18日目を迎えました。
みんなが、母親から離れて、友達同士で遊び始めているというのに、彼だけは、いつも母にぴったり。
寝ている時に、そろーりそろりと近付いても、すぐに飛び起きる、敏感な性格で、ディープちゃんやネオくんとは、ちょっとタイプが違います。
「確か、ディープとネオは、この頃もう、人間にべたべた寄って来ていたはず・・・」
生まれながら好奇心旺盛なタイプと、徐々に人間に慣れていくタイプと、仔馬もいろいろです。
クロフネくんより約1週間生まれが早いダンスちゃんも、最近やっと、私に自分から近付いてくるようになりました。
警戒心が強い仔馬も、馴れるのは時間の問題。
集牧後の手入れで、体を触っているうちに、人間との信頼関係が生まれてきます。
先日、初めて削蹄をした時も、おっかなびっくりでしたが、装蹄師さんからは、骨太でしっかりした馬だと、お褒めの言葉をいただきました。
「僕だっていいとこあるんだい!」
骨太だけど、体はとっても柔らかい。
末っ仔は、周りを見て成長するので、これからは精神面もぐんと鍛えられるでしょう。