ディープインパクト’09♀

ここでは、「ディープインパクト’09♀」 に関する記事を紹介しています。
■牧場の1年

誕生 雪・早春親仔 仔馬の顔
牧場のは、仔馬の誕生と共に始まります。

春・仔馬2頭 牧柵のぞき顔 夏の風
風の中、仲間と共に駆け回る

紅葉 秋・とんぼ 秋・朝もや
母と別れる、試練の

雪景色 1歳冬 白鳥
、真っ白い世界の中で、ひたすら春を待ち・・・。

1歳夏 牧草風景 出発
大きく成長した若駒は、二度目の秋に育成牧場へと巣立っていきます。

 ・02-15  ※こんな日は
 ・02-14  ※お知らせ
 ・02-13  ※穏やかな日の幸福
 ・02-10  ※父ヘニーヒューズの牝馬、誕生
 ・02-07  ※久々の展示会

 1月18日の午前9時半、1台の大きな馬運車が、牧場に入ってきました。

下りてきたのは、父ディープインパクトの5歳牝馬、サクセスセレーネ。

1・セレ・馬運車下車
 

中山金杯の日の7レースが、ラストラン。

競馬をしてからまだ日が浅いため、とてもスマートに見えました。

1・セレ・厩舎へ
 

長旅の末、極寒の大地に。

1・セレ・シルエット
 

「おかえり!」

19戦2勝。目立った戦績は残せなかったけれど、再び元気に会えたことは、何より。

たくさんの期待を背負って、今までよく頑張りました。

「調教では走るのに、レースに行くと走らない」 

そんなことを言われながら、5歳の誕生日を前に競走馬登録を抹消された彼女。

これからは、繁殖牝馬として、第二のスタートを切ります。

久しぶりの故郷。

1・セレ・横顔
 

到着直後は、「ここはどこ?」というふうに遠い目をして、口元に差し出されたニンジンすら食べませんでしたが・・・。

1・セレ・顔
 

午後に再びのぞいた時には、パクパクと食べてくれました。

「そうだ!ニンジン大好きな、ディープ姉さんだもん!」

大きく成長し、顔も長くなり、あの頃とはちょっと雰囲気が違いますが、基本は、変わらないはず・・・。

翌日からパドックに出たセレーネに、厩舎仕事の合間を見ては、ニンジンをあげました。

そして、青空の火曜日。

時間がとれたので、ゆっくりとセレーネのもとへ。

1・セレ・パドック
 

隅に立っていたセレーネは、私の姿を見て、雪深いパドックを歩いてきました。

1・セレ・こちらへ
 

おいしそうに、ニンジンを食べます。

「私たちにもちょうだいよ!」と、見つめるのは、放牧地の1歳ワークフォース牝馬とファルブラヴ牝馬。

1・セレ・ワークとファル
 

みんなにあげたいところですが、あっという間になくなってしまいました。

その後は、セレーネとの心の会話。

帽子を引っ張ったり、顔を擦り付けてきたり。

柵越しに甘えた仕草をみせるセレーネに、「あ、覚えてくれているんだなぁ・・・」と、感じます。

少し離れたところで動いているスタッフを目で追い、「ブブブブブブ」と、呼びかけるように小さく鳴いた時は、「まさにそうだ!」と確信。

1・セレ・速歩セレーネ
 

3年半前にここを巣立ってからは、北海道内でも2ヵ所の育成牧場を移動し、本州では、福島・滋賀・愛知・茨城と、色々な場所を巡ってきたセレーネ。

たくさんの人たちに見守られながらも、生まれ育ったこの大地と最初に出会った人間を忘れていませんでした。

1・セレ・アップ
 

雪を掘り返す姿を見て、5年前の記憶が一気によみがえります。

1・セレ・雪を
 

誕生2日目のあどけないセレーネ。

1・セレ・5年前生後2日目
 

生後1週間。パドックでゴロを打ち、雪まみれで飛び跳ねていたこと。

1・セレ・5年前生後1週間雪まみれ
 

お転婆だった少女が、またこの静かな場所に帰ってきました。

1・セレ・眺める2
 



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関連タグ : ディープインパクト, ワークフォース, ファルブラヴ,

4月26日午前、生後8日目のハービンジャー牡馬が、亡くなりました。

あまりのショックに、弱い私は、放牧地に行けなくなりました。

仔馬の顔を見ると、あのとびきり人懐こかったハービンを思い出してしまうからです。

ブログをやっていることも、ものすごく後悔しました。「書けない・・・」

信じて預けてくださっている繁殖牝馬(母馬)のオーナーに、なんと言ったらよいのか。

茫然自失。

それは、病気でもなんでもなく、放牧中に突然起こった事故でした。

片眼を損傷してしまったハービンは、すぐに獣医師センターへ運ばれましたが、戻って来てはくれませんでした。

私が最後に見たのは、母馬のあとについて、お尻を押されながら、馬運車の箱の中に消えていったハービンです。

後ろ姿や歩きには何ら問題もなく、「助かる」といういちるの望みにすがりついていたものの・・・。

幼稚園の参観日から帰ると、待っていたのは、「ダメだった。片目だけじゃ競走馬になれないんだ・・・」と力なく言うリーダーの言葉だけ。

リーダー本人が一番責任を感じ、一番衝撃を受けていることが分かるので、それ以上、話す気にもなれず。

沈黙。

「大変なことが起こってしまった・・・・」

放牧中の事故は、これまで大なり小なり経験しています。

それらが皆、良い経過をたどってきたことで、いつしか牧場に小さな油断が生まれていたとも考えられます。

あるいは防げる事故だったのかも、と思うと、やるせなく。

そして、私の頭の中には、昨日までの元気なハービンの姿が次々と浮かん来るのでした。

キンカメ牝馬の出産時、馬房の格子戸から顔をのぞかせていたこと。

パドックで顔をなでていると、おもむろにお尻を向けてきたこと。そこを掻くと嬉しそうに鼻を伸ばしたこと。

人懐こいので、子供たちが「一番かわいい!」と、特別気に入っていたこと。

これから当然、牧場の主役になりそうだったハービン。 穴は、あまりに大き過ぎました。

布団にもぐって何も考えたくない、そんな心境でしたが、目の前の仕事や家事をこなさなければならず、時折にじむ涙をぬぐい、無表情に淡々と動くのみ。

それは、牧場内の誰もがそうであり、知らず知らず、ハービンの話題を避けていたように思います。

そして、土曜日。競馬の日。

心理とは不思議なもので、1頭の生産馬が出走を予定していましたが、正直、私は、まったく勝てる気がしませんでした。

「また負けちゃうんだろうなぁ・・・」

いつも前向きだった心が、完全に後ろを向いてしまっていました。

とある研修会参加のため、車で子供と外出していた私が、携帯電話を忘れたことに気付いたのは、午後になってから。

むろん競馬のことは、すっかり忘れ・・・・。

別の用事のために、やっとの思いで公衆電話を探し、家へ電話をかけると、「勝ったよ」の声。

さっきまで、オーナーと電話で話していたと、少し明るくなったリーダーの声を聞き、私の心にもポッと灯がともりました。

実は、亡くなったハービンジャー牡馬は、そのオーナーの所有馬。

すでに仔馬の死は伝えてありましたが、損失を考えると、私たちはいつ怒鳴られてもおかしくない状況でした。

リーダーが遠慮がちに送った”優勝お祝いメール”の後にすぐ、口取りをされたオーナーから明るいトーンの電話があったらしく、そのお心の広さに、ただただ救われました。

オーナーにも、トレーナーにも、感謝の気持ちしかありません。

そして、なんでしょう・・・。不思議な感覚です。

生まれ故郷の牧場にいる人間たちの窮地を、遠くから、ふわりと救ってくれたセレーネ。

彼女にも、感謝の気持ちでいっぱいです。

悲しい事実にふたをすることは出来ません。私たちは、次に生かすと心に誓い、這い上がるのみ。

今、だんだんと心の整理がついてきています。

関連タグ : ハービンジャー,

課題は、”入れ込み”でした。

”ディープ姉さん”こと、父ディープインパクトの2歳牝馬、サクセスセレーネ

新馬戦を、一級の牡馬相手に3着。

期待した2戦目。パドックで、まさかの”入れ込み”を見せ、レース前に力を使い果たした彼女は、いいところなく終わってしまいました。がっかりしたのは、言うまでもありません。

「調教は、いくらでも走る」と、トレセンでも評判の馬だったので、こんなところに落とし穴があろうとは・・・・。

それでも、陣営はあきらめませんでした。

レースを経験し、賢いがゆえに、次の戦いを悟り、テンションが上がってしまう彼女。

それを阻止するために、あらゆる方法がとられたのです。

3戦目。11月12日。緊張してテレビの前で見守る私たち。

そこに現れた、パドックのセレーネは、まだ入れ込みがあるものの、前回と比べると、数段良くなっていました。

ソフトな仕上げ(調教)。ホライゾネット。

心配そうに見守る馬主さんの顔。歩きながら指示を出す調教師さんの姿。

周回する度に、見え隠れする人々の表情を見つめ、じっとその時を待ちます。

1レースであるにも関わらず、セレーネだけは、ジョッキーがパドックで乗らず、地下馬道へ真っ先に連れて行かれました。

馬のために、ありとあらゆる工夫がされていることが、テレビの前に座っているだけでも、すぐに分かりました。

「なんとか勝利をつかみたい!」

願いは、人の尽力のもとにこそ、かなうもの。

結果は・・・・・、まさに、それを証明するかのような、9馬身差の圧勝。

大歓声の後に、深いため息が出ました。関係してくださった方々に、感謝と脱帽。

1年前の今日は、ここにいた”ディープ姉さん”。

11・初勝利・思い出2010年11月
 

ついに、初めての勝利をつかんだのです。

実は、彼女が勝利をあげた時に、ここに載せようと心に決めていたことがありました。

それは、ディープ姉さんの妹分の話です。

2009年2月22日に生まれた、2月生まれディープインパクト牝馬。

彼女は、小さい時から、1月生まれディープちゃんと共にすくすくと育っていました。

昨年の6月。一緒に駆け回る2頭。

11・初勝利・思い出2010年6月
 

昨年の8月。ディープ2ちゃんのお尻で自分のあごを掻く、ディープ姉さん。

11・初勝利・思い出2010年8月
 

今年の5月まで、育成牧場で順調に調教を積んでいたディープ2ちゃんは、突然血液の病を発症し、わずか2年と3ヵ月で、この世を去ってしまいました。

病気の知らせを聞いて、駆け付けたのは、6月2日のこと。

突然発症し、治す手段もないという不幸な病気。「なぜ、うちの仔が・・・」という思いと、なんとか打つ手があるのではないかという、藁にもすがりたい思い。

あの時の苦しさは、表現できません。

育成牧場に着くと、やはり「なんとか助けたい」とあらゆる手を尽くそうとしてくださる獣医さんに出会いました。

食べられずにやせ細るディープ2に、「これなら食べるんじゃないか」と、青草を集めるスタッフさん。

皆が心配してくれている姿を見て、私は、「彼女がこの後どうなったとしても、この姿をカメラにおさめよう」そう思いました。

11・初勝利・ディープ2の2011年6月点滴
 

その時、ちょうど厩舎の斜め上方にある坂路コースで、馬たちが通っていく音がして、ハッと見上げた彼女の顔。

11・初勝利・ディープ2の2011年6月見上げる
 

忘れられません。勝負魂が、揺すられたのでしょうか。

やがて穏やかな顔に戻り、「もしかしたら生きられるかも」と、明るい気持ちが沸いてきたのを覚えています。

11・初勝利・ディープ2の2011年6月
 

しかし、輸血でいったん回復したように思われた彼女に、奇跡は起こりませんでした。

「残念ながら、もう打つ手はない」という最後の知らせを受け、私は、彼女が大好きだったニンジンを持って、育成牧場へ向かいました。

なぜなのでしょう?もう命の灯火の消えかけた馬が、「何も食べない」はずの馬が、私の手のひらのニンジンを、それは嬉しそうに、ムシャムシャとほお張るのです。

嬉しくて、そして、こんなに辛いことはありませんでした。

持参した3本分のニンジンをすべてたいらげ、ぺろぺろとなめてくれたディープ2ちゃん。

こらえていた涙があふれました。

「じゃあね」声をふりしぼって、手を振りました。

亡くなったのは、その2日後です。

期待されながら、競馬場に立つことすら出来なかった妹ディープちゃんを忘れないために、姉貴分のディープ姉さんには、絶対ひとつでも勝ってほしかった・・・・。

「おめでとう!」何も知らないセレーネに、私だけが、幼い頃の思い出を重ね、振り返っています。


関連タグ : , サクセスセレーネ, ディープインパクト,

2009年1月生まれのディープインパクト牝馬、通称”ディープ姉さん”が、今日、育成牧場を出発しました。

本州へ渡り、福島でワンクッションを置いてから、栗東トレセン近郊へ。

2歳デビューを目指し、いよいよ始動です。

私たちは、一昨日の水曜、会いに行ってきました。

6・2歳・ディープ姉さん
 

新緑に包まれた育成牧場。

これからデビューを迎える2歳馬にぴったりの背景で、堂々たる気配のディープ姉さん。

6・2歳・顔
 

小さい時から勝ち気な性格で、自分が一番でないと気がすまなかった女の仔。

牝馬のわりに、どこへ行ってもあまり動じず、落ち着いていることが強みです。

6・2歳・歩く
 

430キログラム台の体重。夏以降、どんなふうに成長するかも、まだまだ楽しみなところ。

額にくっきりと浮かぶ、飛翔のマークをさすりながら、「ぐんぐんと高みに駆け上がっておいで!」と願いをこめました。

馬房へ戻った彼女に、窓からニンジンを見せると、首を伸ばして嬉しそうな仕草。

あの時と変わらない顔。「懐かしいなあ・・・」

当歳時に幼馴染みだったデュランダル牡馬は、今月のデビューが予定されています。

そして、同じ育成場にいるアドマイヤムーン牝馬は、グッドタイミングで調教が始まったところでした。

6・2歳・ムーン馬場へ
 

角馬場で乗った後、コースへ。2頭めが、ムーンちゃん。

しっかりしたフォームで駆け抜けていました。

6・2歳・ムーン駆ける
 

再び、角馬場へ。額にうっすらと描かれたアルファベットのCの文字は、間違いなくムーンちゃん。

6・2歳・ダウン
 

肉がつき、ふんわりとした体つき。調子も良さそうです。

6・2歳・角馬場
 

ゲートもすんなりと通過し、調教も順調に進んでいる様子。

6・2歳・ムーン
 

洗い場へ入ると、リラックスして・・・。

6・2歳・ムーン顔
 

遠いのでなかなか見に来られなかったのですが、こんなふうにずっと練習を積んでいたのでした。

6・2歳・厩舎 

いずれ彼女もここを出発します。

2年前に生まれた馬たちが、いよいよ初めての舞台へ。

また新しいページが開かれようとしています。


関連タグ : ディープインパクト, デュランダル, アドマイヤムーン,

先週、生産馬数頭の動きを確認するため、再び2歳の育成牧場へ行ってきました。

一番進んでいるのが、1月生まれディープインパクト牝馬。

2・育成・ディープ姉調馬策
 

左右のバランスが良く、体の使い方、ハミ受けも上々。

早い時期でのデビューを目指し、調教師さんチェック用のビデオ撮りも行われました。

とにかく賢く、柔らかいのが強み。

半兄は、日曜日に2戦目を1番人気で迎えましたが、前半にあしを使ってしまったのがたたり、失速。初勝利はお預けとなりました。

育成段階での評価は、妹の方が上。

2・育成・ディープ姉扉
 

このまま順調に、明るい未来へ進んでほしい・・・、そう願います。

次の馬を待つ間、1歳時に育てたアグネスタキオン牡馬、懐かしい顔に会いました。

2・育成・タキオンパドック
 

5月生まれで、ひょろっとした仔だったのに、大型馬に大変身。さすがタキオン。

2・育成・タキオン顔
 

こちらでも性格が良く、愛されています。

芦毛のディープくんは、まぶしい太陽の光に包まれ、うとうと。

2・育成・芦毛ディープ
 

やがて、かつての仲間、黒鹿毛ディープくんが登場してきました。

2・育成・ディープ牡通過
 

調馬策。やはり、人間の言うことをすぐ理解し、即座に反応する、優等生。

2・育成・ディープ牡正面
 

スタッフの方によると、中には、人間の意図が理解できず、動けずに時間がかかってしまう馬もいるとか。

「お姉ちゃんも、本当に素直でした」

全姉は、日曜日、4戦目も落としてしまいました。

育成スタッフの方の話を思い出すにつけ、「競馬は、馬の力だけでは勝てない。人の指示で動くのが馬だから」と改めて、考えさせられます。

きっと彼女は、いつも、乗り手の指示通りに、動いているはず。

「なんで褒めてもらえないんだろう」そう思っていないかな・・・・。

運動の終わった弟は、体全体から湯気を出しながら、息を整えていました。

2・育成・ディープ牡湯気
 

姉と違い、後半になると飽きてきて、さぼろうと内へ入りたがる、わんぱく。

「そういうクセをつけないよう、しっかり指示を出してやらないと!」と、リーダーの声が入ります。

人と馬が一体となるスポーツが、競馬。

だから面白く、だから難しい。

調教のしかた、レースの使い方を含め、人に頼らざるを得ない奥深いスポーツ。

送り出していった馬たちが、勝利をつかむまで、私たちは、願い続けます。

今、彼・彼女らを支えてくれているたくさんの方々に託す、小さな夢。

2・育成・ディープ2顔
 

扉が開く瞬間を、皆で待っています。

苦労した分だけ、きっと何倍も喜びがやってくるだろう・・・、そう思って。

関連タグ : ディープインパクト, アグネスタキオン,