ロードカナロア’16♂

ここでは、「ロードカナロア’16♂」 に関する記事を紹介しています。
■牧場の1年

誕生 雪・早春親仔 仔馬の顔
牧場のは、仔馬の誕生と共に始まります。

春・仔馬2頭 牧柵のぞき顔 夏の風
風の中、仲間と共に駆け回る

紅葉 秋・とんぼ 秋・朝もや
母と別れる、試練の

雪景色 1歳冬 白鳥
、真っ白い世界の中で、ひたすら春を待ち・・・。

1歳夏 牧草風景 出発
大きく成長した若駒は、二度目の秋に育成牧場へと巣立っていきます。

 ・06-09  ※水たまり発見
 ・06-02  ※私も入れて
 ・06-01  ※ベストパートナー
 ・05-31  ※2歳戦を前にして
 ・05-29  ※綿毛の朝

 3月16日の午後、牧場に衝撃が走りました。

リーダーの携帯電話に、スタッフから電話。

「パドックで、死んでます!」

「ええっ?」

それは、10日に生まれた、ロードカナロア牡馬のことでした。

午前中に私が見回った時は、寝てばかりいて・・・。


3・カナロア
 

母馬は、横で静かに草を食べていたので、気にも留めていませんでした。

午後2時半、スタッフが厩舎に入れようと近付くと、寝たまま、死んでいたとのこと。

急いで駆け付けると、パドックの乾草の上に、まるで眠ったままのカナロアくんがいました。

母は先に厩舎へ戻され、大騒ぎ。

触ると、まだ温かいカナロアに、私は動揺しました。

「え?まだ、死んでないんじゃない?仮死状態ってことはないの?」

リーダーに食い付きましたが、獣医さんに電話し、状況を話すと、やはり、現実と認めざるを得ませんでした。

すぐに、診療センターへ。

剖検の結果を待つ間、色々なことがわかりました。

14日に、あんなに元気に駆け回っていたカナロアでしたが、15日には、呼吸が少し荒くなっていたということ。

私は、長女の卒業式等への出席で、一日まったく見ておらず、知りませんでした。

16日正午にも、長女がパドックで見た時は、辛そうに立っていたとのこと。

「なんで、言ってくれなかったのぉ!」と、周りをせめても、もうどうしようもありませんでした。

こちらの気配りで助けられた命だったら・・・、そんな思いがぐるぐる。

けれども、リーダーが診療センターから戻ってきた時、その説明を聞き、少しだけ、気が楽になりました。

剖検の結果、カナロアは、生まれながらの肺の未熟が原因で、亡くなったということ。

母馬とへその緒でつながっている間は、母から酸素をもらって生きていられたのですが、誕生後数時間で、その酸素を使い果たし、様子がおかしくなりました。

それを、私たちが必死で酸素吸入を行ったため、再び全身の血液に酸素が十分満たされ、いったんは、普通の仔馬と同じように元気になった・・・・けれども、結局その酸素を使い果たした結果、息絶えてしまった・・・ということ。

もともと、自分の力では生きられない仔馬だったと、考えるしかありませんでした。

そうなると、知りたいのは原因。

獣医さんたちに聞いても、色々調べても、はっきりしたことはわかりません。

いつも、もどかしさを感じます。

たった1週間の命でした。

一生懸命、関わったつもりだっただけに、余計に悲しく、精神的なショックは、大き過ぎました。

日が経つにつれ、この現実を受け止め、前を向こうと気持ちが切り替わり・・・。

今はただ、次につなげていくことこそが、自分の役目だと考えています。

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 14日の朝、放牧地をひとりで使っていた繁殖牝馬が無事出産。

その空いたスペースに、パドックにいたロードカナロア牝馬を放しました。

親子でその場所に放れるのは初めてなので、緊張気味の母セレーネ。

3・カナ・交代
 

外敵はいないかとピリピリして、そこらじゅう、走り回っていました。

3・カナ・走る
 

初仔なので、仕方ありません。

こちらは、別の放牧地のゴールドアリュール牡馬とその母。

3・カナ・アリュール
 

3産目の今年は、実に穏やかに子育てをしています。

出産間近のシルエットは、隣の様子をじっと観察。

3・カナ・シル
 

そして、カナロアちゃんが使っていたパドックに、今度はロードカナロア牡馬が放れました。

3・カナ・パドックへ
 

早速、冒険を始めるカナロアくん。

3・カナ・冒険
 

出産から3日間、厩舎暮らしだった母は、「やっと出られた!」という顔で、ゴロンゴロン。

3・カナ・ゴロン
 

ゴロを打ち、とても気持ち良さそうでした。

3・カナ・すっきり
 

その後も、ハッスル気味の母馬。

3・カナ・元気よく
 

パドック中を駆け回り、仔馬を蹴飛ばさんばかりの勢いでしたが・・・・。

落ち着くと、ちゃんと我が仔を気遣っていました。

3・カナ・母仔
 

放牧地では、少し落ち着いたセレーネの姿。

3・カナ・少し落ち着き
 

と思ったら、「待ってー!!」

3・カナ・待って!
 

シルエットを発見し、「私の仔に近付かないで!」と、柵越しに、興奮気味。

3・カナ・怒るセレーネ
 

まるで、昨年のシルエットを見ているようで、苦笑いしてしまいました。

3・カナ・行くわよ
 

やんちゃなダンカークくん。

3・カナ・ダン
 

休憩する時は、乾草の上で、犬のように寝そべって、「いい気持ち!」

3・カナ・休憩
 

そして、カナロアくんも、だんだんと外の世界に慣れてきた様子。

3・カナ・カナくん
 

看護中、みんなで触ったので、穏やかな顔で、近付いてきます。

3・カナ・アップ
 

次第に、元気よく跳ね出し、

3・カナ・跳ねる
 

積極的に、

3・カナ・跳ね2
 

ひょいひょい。

3・カナ・わい
 

母にも、負けじとついていきます。

3・カナ・母と
 

青空をバックに、ピンと立った耳が勇ましく、「元気になって良かった!」と、改めて感じた、生後4日目の昼でした。

3・カナ・凛々しい顔
 



関連タグ : ロードカナロア, ゴールドアリュール, ダンカーク,

 3月10日、午後8時頃、父ロードカナロアの牡馬が誕生しました。

3・試練・誕生
 

予定日より3日遅れ。

体格の良い男の仔の誕生に、胸をなで下ろします。

3・試練・カナロアくん
 

ところが・・・・。

「大きいからなかなか立てないだろう」との予想通り、補助なしではなかなか立てず、立っても、うまく母乳を吸えず・・・。

時間だけがどんどん過ぎていくため、日付けが変わる前、とうとう母乳をしぼり、哺乳瓶で与えることになりました。

飲んでいれば、そのうち上手になるだろうと、1時間おきに、立たせて母乳を与えますが、朝方6時頃・・・・。

まるで、気を失ったかのように倒れ込むと、そのまま眠りについてしまいました。

「大丈夫?」

連絡した獣医さんには、とにかく飲ませること・酸素を吸わせること、そして保温の3点を言われます。

低酸素性虚血性脳症という診断。

低酸素・虚血による脳障害で寝てばかりいるのですが、手厚く看護すれば数日以内に改善し、その後は普通に競走馬になれるといいます。

原因は、定かではありません。

十数年前に、同じ病名の仔を看護したことがあり、「それなら」と気を取り直しますが、ぐったりと横たわる仔馬に「本当に、治るの?」と、不安ばかりが募りました。

最初は、乳房が張ってイライラしていた母馬も、我が仔の異常に気付いたらしく、とにかく静かにしています。

「偉いね・・・」 

けれども、仔馬は、立つことすら出来なくなってしまいました。

頭だけ起こして、哺乳。

酸素吸入。

点滴と、抗生物質で感染予防。

とにかく、みんなが必死で、反応のない仔馬の肢をさすり、「頑張れ!」と声をかけ、酸素ボンベを買い足しに走りました。

午前中は、寝たままもがいたり、震えたりの症状が見られた仔馬が、徐々に落ち着き始めたのは、日が暮れる頃。

2回目の点滴の後、誕生から、丸一日たった11日の午後8時頃に、ようやく自分で頭を起こすようになりました。

それはまさに、長い眠りから覚めた、というような状況。

「なんとかなるかも!」

真っ暗な闇の中に、一筋の光が射しこんで来たのです。

9時半には、排尿。立たせて、哺乳することにも成功。

そして、午後11時。馬房の横の休憩所で、うとうとしていた私は、ザザッという音で起こされました。

見ると、目の前に、仔馬が立っています。夢ではありませんでした。

自力での起立、成功!

その後は、起立の失敗と成功を繰り返しながら、少しずつ元気を取り戻していったカナロアくん。

哺乳瓶からではなく、母の乳房から直接飲めるように、時間をかけて誘導し、早朝午前4時、それも成功。

スタッフが起きてくる頃には、起立・排尿・授乳と、すべてひとりで出来るようになったのでした。

みんな目を丸くして、ビックリ!

馬房内で跳ね回るようにもなり、まったく普通の仔馬と同じ状態に。

「この24時間は、何だったんだろう・・・・」

目の前で元気にしている仔馬を見ると、狐につままれたような気分。

「それがこの病気なんだ」と説明されても、原因などははっきりせず、疑問が残るものの・・・。

まずは、生き延びてくれたことに、とにかく嬉しい朝となり、「二晩寝てないんだから、寝たら?」と言われても、まったく眠る気などありませんでした。

今朝のカナロアくん。

3・試練・復活
 

「1日遅れで、生まれてきたと思えばいいね」

額の十文字が特徴。

3・試練・ぺろ
 

長時間、人が手をかけただけあり、人懐こく、寄ってきます。

3・試練・元気よく
 

母馬も、すっかり安心して、飼料を食べたり水を飲んだりしていました。

3・試練・顔
 

乳母をめぐる一難去って、また一難。

今年は、何が起こるかわからないぞ・・・と、いう気持ちが、ふつふつとわいてきた朝でした。