大きな、こげ茶色の山がふたつ。
ついこの間までは、かわいらしい寝姿だったのに、いつの間にか、こんなに大きくなって・・・。
手前がディープインパクト牝馬、奥がネオユニヴァース牡馬です。
先に起きた、ネオくんが、ディープちゃんをつんつん。
口を半開きにして、本格的にお休み中のディープ。
ネオは、どうしても起こしたいらしく、前あしで、こんこんたたいたり、首をかじってみたり。
「あ、これ、見たことある!」
ディープインパクト牝馬を起こす時の、母の仕草とそっくりでした。
どこで見て、学習したのでしょうか?
ディープとネオの母は、現在、一番はじの放牧地に、ほかの繁殖牝馬たちと一緒に放れています。
離乳直後は、あまり鳴きもせず、落ち着いていましたが、翌日は、やはり放牧地で、仔を探し歩いていました。
でも、先に離乳した、早生まれ組の母馬たちと一緒にすると、こちらの政権争い(順位決め)に没頭。
昼夜放牧もしたので、お疲れになったのか、すぐに静かになりました。
子供たち(ディープ&ネオ)は、離乳した者どうし、常に一緒に行動していますが、母たちは、なぜか違います。
ディープ母は、初対面の、早生まれ組の母たちと交わるのに対し、ネオ母は、なんとなくみんなと離れ、ひとりぼっち。
鹿毛軍団と、栗毛だから?アメリカ産組と、国産だから?
色々違いはありますが、やはり、ネオ母の個性的な性格が、他馬を寄せつけないのでしょう。
妙に人間臭いところがある彼女。我が仔との思い出に、まだ浸っていたいのかもしれません。
木々が茂る放牧地には、どんぐりがたくさん落ちていて、秋が深まっていることを、ふと感じました。
今日は、秋分。雨のち晴れの予報通り、午後から良い天気になりましたが、強風が吹き荒れました。
風に波打つ青草をムシャムシャと食べているのは、ディープインパクト牝馬。
天高く馬肥ゆる秋・・・に、なってきました。
近くの川では、鮭の遡上も始まっています。
放牧地の隅にいた、カルガモの親子が、私の存在に気付き、突然飛び立っていきました。
今年生まれた若鳥は、警戒心の強い親鳥に、まだ色々なことを教わっている最中なのでしょう。
すでに離乳したディープは、もう母親から教わることは出来ません。
西に傾いた太陽の光を浴び、放牧地の中では、仲間と共に・・・。
結構、強気な面を見せるディープちゃんですが。
集牧は、強い母に引率されたダンスインザダーク牝馬、クロフネ牡馬の方が、先。
順番を待っている間、目の前にいるクロフネ親仔が授乳を始め、
「どんな気持ちでいるのだろう」と、母のいない二頭が、少し、かわいそうな気持ちになりました。
離乳6日目となったディープインパクト牝馬、ネオユニヴァース牡馬。
今日も、5月生まれ親仔と共に、仲良く、放牧生活。
私も一緒に歩いていると、目の前に、お化けキノコが現れ、びっくりしました。
かなり前に落とされた馬糞の中から、にょきにょきと・・・。
写真では小さく見えますが、これが近くで見ると、なかなかのサイズで。
今年の雨の多さを物語っているなぁ・・・と、しみじみ思いました。
雨が多くても、やっぱり、のどが渇いてしまうのが、離乳組。
今まで、ちょこちょこ飲んでいた母乳を失い、水分は、水飲み場の水で補うしかありません。
ゴクゴクゴク。結構、長い時間、二頭で首を伸ばしていました。
と、思ったら、ディープちゃん、今度は、ダンスインザダーク牝馬に接近。
これ・・・・、なんと、乳を探しているのです。
みんなで、移動した後、今度は、ネオくんと遊んでいるクロフネ牡馬に近付き。
「うーん、ここにもないなぁ」
「この辺に、あるはずなんだけどなぁ・・・」
「やっぱり、ないかぁ」
よその母さんたちには、恐ろしいのか、首を伸ばしません。
最後は、一緒に離乳した、ネオユニヴァース・ジュニアくんに。
この中では、一番お姉さんのはずですが、6ヵ月間続けてきた習慣は、なかなか抜けそうにないディープちゃん。
まだまだ、かわいい仔馬なのでした。
今日は、朝から晴天。
離乳三日目のディープインパクト牝馬とネオユニヴァース牡馬は・・・・。
クロフネ母さんと一緒に、顔を並べて、草を食べていました。
実は、離乳して一晩明けた昨日から、いつも一緒に放れていた仲間(5月生まれ親仔)と外に放してみたのです。
放牧初日の昨日は、やはり離乳した二頭のみ、母を捜して、時折、いなないたり、駆けたり。
時折降る通り雨に濡れながら、不安そうな顔で過ごしていましたが・・・。
今日は、青空のもと、まるでいつもと変わらない様子で、私のところへやって来てくれました。
「うわぁ、えらい、えらい!」
とにかく、めちゃくちゃにおでこをなで回すことしか、私には出来ません。
まだ離乳して、40時間ほどしか経っていないというのに、この落ち着き。
いつも生活を共にしてきた、よその母さんたちと放れたのが、良かったのでしょうか。
ディープもネオも、今日からしばらく、この6頭家族との生活をしていきます。
あんなに取り乱していたネオ。今日は、牧柵の上にちょこんと顔を出し、かじる余裕さえ出てきて。
でも、お互いにこんなにくっついて、草を食べている後ろ姿から、やっぱり哀愁を感じてしまうのは、私だけでしょうか。
厩舎がにわかに騒がしくなり、ディープインパクト牝馬とネオユニヴァース牡馬の離乳が行われたことがわかった昨夕。
すぐに駆けつけられず、十分後に、やっと馬房を訪ねることが出来ました。
「思ったより、いななきが聞こえないんだけど・・・」
感じた通り、ディープは、驚くほど、静かでした。
隣の馬房をのぞいたり、敷きわらのにおいをかいだり、そわそわしていることは確かですが、大騒ぎをしません。
飼い桶に顔を入れ、餌を食べたりもしています。
「なぜ?この仔は賢いから?」
窓から顔を出したのでよく見ると、右目から涙が。
「え?泣いている?」
そんなはずはないはず。たまたまゴミが入ったためでしょうが、なんだか本当に不思議な気持ちにさせられました。
隣の馬房からは、ゴリゴリゴリと、鈍い音が。
ネオは、母と別れ、どうにもならない気持ちを、床面にぶつけていました。
ディープより生まれがひと月遅いため、精神的にまだ幼さが残るのでしょうか。
それとも、子煩悩な母のぬくもりが、忘れられないのか。
こちらは、たまにいなないて、また前掻き。
かと思うと、力尽きたのか、急にじっと動かなくなり・・・。
目をこらすと、体からは、うっすらと湯気が立ち上っていました。
十六夜月が、明るく照らす夜。
これが離乳一日目かと思うほど、静けさの戻った厩舎。
二頭、特にディープインパクト牝馬の、芯の強さを見せられ、個性的な馬たちの魅力に、また心動かされた夜でした。







































