5月14日、東京3レースで、父ロードカナロアの3歳牝馬、キャミが勝利しました。
彼女は、当歳の11月から1歳の10月まで、約11ヵ月育成した馬。
これは、牧場に来て12日目の様子。
真ん中のひときわ黒い馬が、キャミ。
カラマツの黄葉が美しい時期でした。
離乳後の生産牝馬のグループに、すっかり馴染んでいます。
こちらを向いているのは、左からライドオンタイム、トーホウダブリン、ナツイチバン。
3月生まれのキャミは、この時、生後7ヵ月でした。
しばらくして駆け出した仲間たち。
群れになって疾走する姿は、競馬のレースを観ているようです。
それから半年後。
厳しい冬を乗り越え、たくましく成長した1歳馬たち。
これは、ちょうど今から2年前の5月。夕暮れ時に撮影したもの。
トーホウダブリンに頭をのせられ、「重いよ」と思いながらも、気のいいキャミ。
伸び始めた草を黙々と食べているのは、トーホウラビアン。
体つきがしっかりして、
品が良く、いかにも走りそうな雰囲気を持った仔でした。
夜間の放牧から厩舎に戻り、まったりしている時間。
ニンジンが大好きで、私が通ると、いつもずっと顔を出していたことを覚えています。
さて、3歳未勝利戦の終了まで、4ヵ月を切りました。
遅生まれや、晩成型の馬たちにとっては、試練の時。
幼馴染たちも、なんとか間に合ってくれるように、遠くから祈っています。
彼女は、当歳の11月から1歳の10月まで、約11ヵ月育成した馬。
これは、牧場に来て12日目の様子。
真ん中のひときわ黒い馬が、キャミ。
カラマツの黄葉が美しい時期でした。
離乳後の生産牝馬のグループに、すっかり馴染んでいます。
こちらを向いているのは、左からライドオンタイム、トーホウダブリン、ナツイチバン。
3月生まれのキャミは、この時、生後7ヵ月でした。
しばらくして駆け出した仲間たち。
群れになって疾走する姿は、競馬のレースを観ているようです。
それから半年後。
厳しい冬を乗り越え、たくましく成長した1歳馬たち。
これは、ちょうど今から2年前の5月。夕暮れ時に撮影したもの。
トーホウダブリンに頭をのせられ、「重いよ」と思いながらも、気のいいキャミ。
伸び始めた草を黙々と食べているのは、トーホウラビアン。
体つきがしっかりして、
品が良く、いかにも走りそうな雰囲気を持った仔でした。
夜間の放牧から厩舎に戻り、まったりしている時間。
ニンジンが大好きで、私が通ると、いつもずっと顔を出していたことを覚えています。
さて、3歳未勝利戦の終了まで、4ヵ月を切りました。
遅生まれや、晩成型の馬たちにとっては、試練の時。
幼馴染たちも、なんとか間に合ってくれるように、遠くから祈っています。
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関連タグ : ロードカナロア,
1歳牡馬の放牧地に行くと、元競走馬の乗用馬が私を見つけ、まっしぐら。
立派なリードホースながら、こっそり撮影しようと思っている私の計画を、いつも壊してくれます。
この放牧地は、柵で覆われているため、急いで高いところに上がり、撮影開始。
1歳馬の先頭を走って来るのは、ルーラーシップ牡馬。
2番手に、カリフォルニアクローム牡馬。
3番手は、黒鹿毛のダノンレジェンド牡馬です。
後方の2頭、青鹿毛のミッキーグローリー牡馬と、栗毛のエピファネイア牡馬。
もう1頭の栗毛が、ダイワメジャー牡馬。
栗毛の2頭は、昨年の10月に仲間入りし、ちょうど半年が過ぎました。
みんな、ニンジンが大好き。
しかし、ベテランの乗用馬が「邪魔するな!」と威嚇するため、落ち着いていられません。
牝馬と同様、あちこちにニンジンを置いて対応しましたが、あっという間になくなってしまいました。
「ごめんねー」
こちらに来た当初は食べなかったエピくん。
今では大好物で、いつも、みんながいなくなった後、「ねえ、まだあるでしょ?」と顔を出します。
ないことを察した馬たちは、やがて、草を食べ始めました。
今年は雨が少なく乾燥気味ですが、気温の上昇と共に、草が伸びています。
一心不乱。
メジャーくんも、生産馬たちとすっかり打ち解け、この姿。
それでもやっぱり、幼馴染の結束は固く、ルーとクローム。
そして、グローリーとレジェ。
いつの間にか、くっついている様子が、微笑ましく・・・。
”男の友情”というところでしょうか。
放牧地を去ろうとする私を見つけ、再び追いかけて来たみんな。
「じゃあね!」と手を振り、その場をあとにしました。
立派なリードホースながら、こっそり撮影しようと思っている私の計画を、いつも壊してくれます。
この放牧地は、柵で覆われているため、急いで高いところに上がり、撮影開始。
1歳馬の先頭を走って来るのは、ルーラーシップ牡馬。
2番手に、カリフォルニアクローム牡馬。
3番手は、黒鹿毛のダノンレジェンド牡馬です。
後方の2頭、青鹿毛のミッキーグローリー牡馬と、栗毛のエピファネイア牡馬。
もう1頭の栗毛が、ダイワメジャー牡馬。
栗毛の2頭は、昨年の10月に仲間入りし、ちょうど半年が過ぎました。
みんな、ニンジンが大好き。
しかし、ベテランの乗用馬が「邪魔するな!」と威嚇するため、落ち着いていられません。
牝馬と同様、あちこちにニンジンを置いて対応しましたが、あっという間になくなってしまいました。
「ごめんねー」
こちらに来た当初は食べなかったエピくん。
今では大好物で、いつも、みんながいなくなった後、「ねえ、まだあるでしょ?」と顔を出します。
ないことを察した馬たちは、やがて、草を食べ始めました。
今年は雨が少なく乾燥気味ですが、気温の上昇と共に、草が伸びています。
一心不乱。
メジャーくんも、生産馬たちとすっかり打ち解け、この姿。
それでもやっぱり、幼馴染の結束は固く、ルーとクローム。
そして、グローリーとレジェ。
いつの間にか、くっついている様子が、微笑ましく・・・。
”男の友情”というところでしょうか。
放牧地を去ろうとする私を見つけ、再び追いかけて来たみんな。
「じゃあね!」と手を振り、その場をあとにしました。
4月23日、土曜日。
生産馬クリノプレミアムが出走した、福島牝馬ステークスのレース後、すがすがしい気持ちで放牧地に向かいました。
レースには惜敗したものの、その強さは明らか。
存在感のある馬になってくれたことに、感謝。
それは決して彼女の力だけでなく、育成段階で携わった方々、そして今のチームあってこそ。
これまで、期待して送り出した馬が、その力を発揮する前に、次々と姿を消してしまう現実に、もどかしさを感じていました。
こうして、時間がかかっても、その実力を示せたことは、大きな喜びです。
西日を浴びて、輝きを増すツクシ。
すくっと真っすぐに伸びる春の使者に、元気をもらいました。
さて、早ければ、来年にはデビューする、1歳馬たち。
昨年生まれた馬たちは、ひと冬を越し、大きく成長しています。
牝馬の放牧地には、半血種のペロちゃんと、6頭。
私の姿に気付き、真っ先に動き出すのは、決まってペロちゃんです。
続々と集まって来る、仲間たち。
この日は、ファンの方からトーホウレジーナの誕生日に送っていただいたニンジンを、おすそ分け。
細く切って、間隔をあけて置くと、皆で、争いなく食べていました。
いつも遠慮がちな、ニューイヤーズデイ牝馬も、嬉しそう。
「ねえねえ、まだある?」
乳母の仔ペロちゃんは、芦毛。食い意地が強く、ニンジンを前にすると、気性が荒くなります。
金髪が美しい、トーホウジャッカル牝馬。
そして、豪快なスワーヴリチャード牝馬。
「待ってー」と走り出す、キズナ牝馬。
「私にもちょうだい」と、サクソンウォリアー牝馬。
みんな、1歳の誕生日は過ぎましたが、早生まれと遅生まれで、3ヵ月近く、違いがあります。
体重は、310㎏台から380㎏台まで。
それでも、冬の間、共に過ごしたことで、結束が固くなりました。
雪解け前から昼夜放牧が始まっていて、たくましい面々。
モーリス牝馬は、おでこをなでてもらうのが大好き。
みんなが「私も。私も」と寄って来るので、順番に触ると、換毛がすごく、手袋が細かい毛だらけになりました。
早朝、厩舎に入った際の、簡単な手入れだけでは、追いつかない様子。
一通り相手をした後、そっとその場を離れると、馬たちは、本来の姿を見せ始めます。
友達に絡んでみたり、
草を食べ始めたり、
やっぱり、集まってきたり。
この夏にセリ上場を控えるサクちゃん。
元気とやる気は、いつもいっぱい。
幼馴染とじゃれるスーちゃん。
日が長くなり、それぞれ、ゆったりと過ごしています。
躍動する1歳馬たちは、見ていて飽きません。
この夜、空には、満天の星が輝いていました。
生産馬クリノプレミアムが出走した、福島牝馬ステークスのレース後、すがすがしい気持ちで放牧地に向かいました。
レースには惜敗したものの、その強さは明らか。
存在感のある馬になってくれたことに、感謝。
それは決して彼女の力だけでなく、育成段階で携わった方々、そして今のチームあってこそ。
これまで、期待して送り出した馬が、その力を発揮する前に、次々と姿を消してしまう現実に、もどかしさを感じていました。
こうして、時間がかかっても、その実力を示せたことは、大きな喜びです。
西日を浴びて、輝きを増すツクシ。
すくっと真っすぐに伸びる春の使者に、元気をもらいました。
さて、早ければ、来年にはデビューする、1歳馬たち。
昨年生まれた馬たちは、ひと冬を越し、大きく成長しています。
牝馬の放牧地には、半血種のペロちゃんと、6頭。
私の姿に気付き、真っ先に動き出すのは、決まってペロちゃんです。
続々と集まって来る、仲間たち。
この日は、ファンの方からトーホウレジーナの誕生日に送っていただいたニンジンを、おすそ分け。
細く切って、間隔をあけて置くと、皆で、争いなく食べていました。
いつも遠慮がちな、ニューイヤーズデイ牝馬も、嬉しそう。
「ねえねえ、まだある?」
乳母の仔ペロちゃんは、芦毛。食い意地が強く、ニンジンを前にすると、気性が荒くなります。
金髪が美しい、トーホウジャッカル牝馬。
そして、豪快なスワーヴリチャード牝馬。
「待ってー」と走り出す、キズナ牝馬。
「私にもちょうだい」と、サクソンウォリアー牝馬。
みんな、1歳の誕生日は過ぎましたが、早生まれと遅生まれで、3ヵ月近く、違いがあります。
体重は、310㎏台から380㎏台まで。
それでも、冬の間、共に過ごしたことで、結束が固くなりました。
雪解け前から昼夜放牧が始まっていて、たくましい面々。
モーリス牝馬は、おでこをなでてもらうのが大好き。
みんなが「私も。私も」と寄って来るので、順番に触ると、換毛がすごく、手袋が細かい毛だらけになりました。
早朝、厩舎に入った際の、簡単な手入れだけでは、追いつかない様子。
一通り相手をした後、そっとその場を離れると、馬たちは、本来の姿を見せ始めます。
友達に絡んでみたり、
草を食べ始めたり、
やっぱり、集まってきたり。
この夏にセリ上場を控えるサクちゃん。
元気とやる気は、いつもいっぱい。
幼馴染とじゃれるスーちゃん。
日が長くなり、それぞれ、ゆったりと過ごしています。
躍動する1歳馬たちは、見ていて飽きません。
この夜、空には、満天の星が輝いていました。
昨年受胎した繁殖牝馬14頭の出産が、無事に終わりました。
その中で、特に感慨深かったのが、父キングズベストの8歳牝馬、トーホウレジーナの初産。
今年の皐月賞当日、4月17日午前3時半、予定日から15日遅れで、父キズナの牡馬を出産しました。
自身も8年前に、この馬房で生まれたものの、わずか2ヵ月で母と死別。
人からミルクをもらいながら成長し、2歳の秋にデビュー。競走馬として中央4勝。
一昨年の9月、生まれ故郷に戻り、この日を迎えました。
亡き母とそっくりな栗毛の馬体。
生まれた日のこと、母が亡くなった日のこと。
この厩舎で起こった8年前の出来事が、再び頭によみがえって来ます。
「あの仔が、母になった!」
そしてまた、驚くほど上手に子育てする姿に、感無量・・・。
あの時、手がかかった分だけ、今、私たちに恩返ししてくれている。
そんな気がしました。
さて、今年は、1月から計14頭の仔馬が生まれ、すでに放牧地は大賑わい。
例年のように、撮影だけは行なっていますが、記事にする時間がなかったため、今日は近況のみを公開します。
4月7日生まれの、父ブリックスアンドモルタルの牡馬。
母は、昨年まで、2年続けて前肢が奇形の仔を宿し、自然分娩できずに医療センターで娩出。
人の力を借りなければ、母子ともに死亡しているところです。
3度目の正直となった今年は、無事、自然分娩で、牡馬を出産しました。
ところが、乳を飲もうとする仔馬を蹴ろうとするなど、かなり手がかかり、やっと落ち着いたところ。
仔馬は、とても人懐こく、物怖じしない性格。
今は、のびのび元気に育っています。
3月22日生まれの、父ミッキーアイルの牝馬。
こちらも初仔ですが、母は賢く、上手に子育てしています。
生まれた時から、気品があり、すらっと長い肢で、所狭しと駆け回る女の仔。
3月27日生まれの、父ルーラーシップ牝馬。
さすが、ルーラーシップの仔。
とにかく、人間が大好き。「あそぼ!あそぼ!」と付いて来る、かわいい女の仔です。
3月22日生まれの、父キタサンブラック牝馬。
彼女は、今年一番の人見知り屋さん。
スタッフ全員がてこずる、繊細な女の仔です。
そして、すでにグループでの放牧が始まっている、この3頭。
3月2日生まれの、キズナ牡馬。
とても元気で、フレンドリーな性格ながら、心配性な母に邪魔され、まだみんなと遊べていません。
放牧に出る時、嬉しくて尻っ跳ねした時の蹄が、母をひいていた私の太ももに命中。
生まれて初めて馬に蹴られた私。仔馬とはいえ、痛さは半端ではありませんでした。
後にそれが逸話となるような、名馬になってほしいものです。
3月1日生まれの、スワーヴリチャード牡馬。
初産の母から、小さなサイズで生まれました。
性格も、今のところは、控えめ。
よく走る母に一生懸命ついて走り、毎日、鍛えられています。
3月3日生まれの、父サートゥルナーリア牡馬。
わんぱくぶりは、キズナくんに負けていません。
それでも、無茶なことはしない優等生。
周りを見て、冷静に判断して行動する、賢い仔。
人間も大好きで、いつでも遊びにやって来ます。
そして、1月から2月の間に生まれた、早生まれのグループが、こちら。
気が合うため、たいてい一緒に遊んでいるのが、この2頭です。
母と共に歩いて来たのは、2月14日生まれの父フィエールマン牡馬。
半兄によく似て、性格の良い男の仔。
しつこくもなく、とても素直で扱いやすい仔です。
2月18日生まれの、父ミッキースワロー牡馬。
半端ないパワーの持ち主で、いつも、みんなに体当たり。
飛んだり跳ねたり、いつも忙しい、大型馬。
2月12日生まれの、父レイデオロ牝馬。
生まれてから翌日まで、自力で乳が飲めず、とても苦労しましたが、今では順調に育っています。
徐々にお転婆な性格を表し始め、「お山の大将」的なスワローくんにも、果敢に立ち向かう、元気な仔。
1月23日生まれの、父モズアスコット牝馬。
もうすぐ3ヵ月になる、今年の長女は、甘え上手。
お尻を掻いてほしくて、人間から離れません。
冬の寒い時期に生まれたため、まだ、もこもこの冬毛に覆われています。
それから、ポツンと離れたところで寝ているのが、父トーホウジャッカル牡馬。
とても明るく人懐こい性格ながら、マイペースで静寂を好む母が、群れから離れるため、ひとりぼっちです。
私が放牧地に行くと、途端に元気になって遊び回るので、早くみんなと馴染んでほしいところ。
そして改めて、4月17日生まれの、父キズナ牡馬と、
最後に、4月18日の晩に生まれた、父スワーヴリチャード牡馬。
彼の母は、5年前にここで生まれた、父ヘニーヒューズの5歳牝馬、クーレクー。
寂しがりやで、せわしいところがあるため心配しましたが、子育ては上手でした。
この先、生まれた全頭が、無事に成長できるよう、見守っていきます。
その中で、特に感慨深かったのが、父キングズベストの8歳牝馬、トーホウレジーナの初産。
今年の皐月賞当日、4月17日午前3時半、予定日から15日遅れで、父キズナの牡馬を出産しました。
自身も8年前に、この馬房で生まれたものの、わずか2ヵ月で母と死別。
人からミルクをもらいながら成長し、2歳の秋にデビュー。競走馬として中央4勝。
一昨年の9月、生まれ故郷に戻り、この日を迎えました。
亡き母とそっくりな栗毛の馬体。
生まれた日のこと、母が亡くなった日のこと。
この厩舎で起こった8年前の出来事が、再び頭によみがえって来ます。
「あの仔が、母になった!」
そしてまた、驚くほど上手に子育てする姿に、感無量・・・。
あの時、手がかかった分だけ、今、私たちに恩返ししてくれている。
そんな気がしました。
さて、今年は、1月から計14頭の仔馬が生まれ、すでに放牧地は大賑わい。
例年のように、撮影だけは行なっていますが、記事にする時間がなかったため、今日は近況のみを公開します。
4月7日生まれの、父ブリックスアンドモルタルの牡馬。
母は、昨年まで、2年続けて前肢が奇形の仔を宿し、自然分娩できずに医療センターで娩出。
人の力を借りなければ、母子ともに死亡しているところです。
3度目の正直となった今年は、無事、自然分娩で、牡馬を出産しました。
ところが、乳を飲もうとする仔馬を蹴ろうとするなど、かなり手がかかり、やっと落ち着いたところ。
仔馬は、とても人懐こく、物怖じしない性格。
今は、のびのび元気に育っています。
3月22日生まれの、父ミッキーアイルの牝馬。
こちらも初仔ですが、母は賢く、上手に子育てしています。
生まれた時から、気品があり、すらっと長い肢で、所狭しと駆け回る女の仔。
3月27日生まれの、父ルーラーシップ牝馬。
さすが、ルーラーシップの仔。
とにかく、人間が大好き。「あそぼ!あそぼ!」と付いて来る、かわいい女の仔です。
3月22日生まれの、父キタサンブラック牝馬。
彼女は、今年一番の人見知り屋さん。
スタッフ全員がてこずる、繊細な女の仔です。
そして、すでにグループでの放牧が始まっている、この3頭。
3月2日生まれの、キズナ牡馬。
とても元気で、フレンドリーな性格ながら、心配性な母に邪魔され、まだみんなと遊べていません。
放牧に出る時、嬉しくて尻っ跳ねした時の蹄が、母をひいていた私の太ももに命中。
生まれて初めて馬に蹴られた私。仔馬とはいえ、痛さは半端ではありませんでした。
後にそれが逸話となるような、名馬になってほしいものです。
3月1日生まれの、スワーヴリチャード牡馬。
初産の母から、小さなサイズで生まれました。
性格も、今のところは、控えめ。
よく走る母に一生懸命ついて走り、毎日、鍛えられています。
3月3日生まれの、父サートゥルナーリア牡馬。
わんぱくぶりは、キズナくんに負けていません。
それでも、無茶なことはしない優等生。
周りを見て、冷静に判断して行動する、賢い仔。
人間も大好きで、いつでも遊びにやって来ます。
そして、1月から2月の間に生まれた、早生まれのグループが、こちら。
気が合うため、たいてい一緒に遊んでいるのが、この2頭です。
母と共に歩いて来たのは、2月14日生まれの父フィエールマン牡馬。
半兄によく似て、性格の良い男の仔。
しつこくもなく、とても素直で扱いやすい仔です。
2月18日生まれの、父ミッキースワロー牡馬。
半端ないパワーの持ち主で、いつも、みんなに体当たり。
飛んだり跳ねたり、いつも忙しい、大型馬。
2月12日生まれの、父レイデオロ牝馬。
生まれてから翌日まで、自力で乳が飲めず、とても苦労しましたが、今では順調に育っています。
徐々にお転婆な性格を表し始め、「お山の大将」的なスワローくんにも、果敢に立ち向かう、元気な仔。
1月23日生まれの、父モズアスコット牝馬。
もうすぐ3ヵ月になる、今年の長女は、甘え上手。
お尻を掻いてほしくて、人間から離れません。
冬の寒い時期に生まれたため、まだ、もこもこの冬毛に覆われています。
それから、ポツンと離れたところで寝ているのが、父トーホウジャッカル牡馬。
とても明るく人懐こい性格ながら、マイペースで静寂を好む母が、群れから離れるため、ひとりぼっちです。
私が放牧地に行くと、途端に元気になって遊び回るので、早くみんなと馴染んでほしいところ。
そして改めて、4月17日生まれの、父キズナ牡馬と、
最後に、4月18日の晩に生まれた、父スワーヴリチャード牡馬。
彼の母は、5年前にここで生まれた、父ヘニーヒューズの5歳牝馬、クーレクー。
寂しがりやで、せわしいところがあるため心配しましたが、子育ては上手でした。
この先、生まれた全頭が、無事に成長できるよう、見守っていきます。
ついに、この日がやって来ました。
3月12日、中山11レース、中山牝馬ステークス。
父オルフェーヴルの5歳牝馬、クリノプレミアムが、優勝!
記憶は、今から16年前にさかのぼります。
2006年4月2日。彼女の母、ダンシングクイーンが誕生しました。
父は、Giant’s Causeway(ジャイアンツコーズウェイ)。
アメリカから、海を越えてやって来た母から生まれたのは、青鹿毛の美しい女の仔。
期待して競馬場へ送り出したものの、新馬戦1着のみの、4戦1勝で引退。
繁殖に上がり、その子どもたちに望みをつなぎました。
彼女が生まれた時に、ジャイアンツコーズウェイについて調べまくった私は、「この血統は、絶対にどこかで走る」と信じ続けて来たのです。
5年前の2017年、3月23日の夜。
その母の5産目で、父オルフェーヴルのクリノプレミアムが誕生しました。
男の仔かと思ったくらい、骨格の立派な女の仔。
(小さい時の様子は、カレンダーから、2017年3月を検索して、ご覧ください)
仲間と共に、のびのび、すくすくと育ったプレミアム。
4年前の今頃。
1歳3月に撮った画像です。
人間にはとても素直ですが、周りの仲間には時折、強気な面を見せていました。
緑いっぱいの5月。
当時の仲間たちと共に。
サマーセールに上場することになり、準備をしてのぞんだものの・・・。
当日の比較展示中に、まさかの放馬。
その直後に会場に到着した私でしたが、彼女を真剣に見る人は少なく、どんよりとした空気が漂っていました。
手塩にかけて育てて来た馬を、気遣うスタッフ。
「オルフェの牝馬は難しいよね」と私に話しかけて来た人がいます。
「いやぁ、普段はとてもおとなしい馬なんですがね」と返すしかありませんでした。
不安は的中し、セリでは一声もかからず、主取り。
その数日後に、リーダーより、今の調教師さんから声がかかったということを聞きました。
移動先の育成牧場でも、トレセンの厩舎でも、その気質から、ちょっとした逸話があるようです。
今から1年前に、2勝目をあげると、夏に連勝して、オープン入り。
ついに、思い描いていた重賞の舞台へ、参戦することになりました。
「いつかは、やってくれる!」
そう信じて、5戦目。
”荒れる牝馬のハンデ重賞”中山牝馬ステークス。
16頭立ての15番人気。
「荒れるなら、うちの馬しかないでしょ」と思ったのに、テレビ番組の予想コーナーには、名前なし。
調子が良く、本来の力が出せれば、チャンスはある・・・。
正座して、スタートを見つめました。
「よし、そうそう」
ただ一点、プレミアムの動きだけを追います。
「よしっ!そう!いけーっ!・・・・」
もう最後は、何を叫んだのか、全く覚えていません。
勝つなら、こういうレースだろうと、思い描いた通りの動き。
まさに人馬一体の、会心のレースでした。
感無量とは、このこと。
家族とスタッフ二人で、こつこつ。
どんなに忙しくても、休みが不定期でも、馬に寄り添い、勤め続けてくれているスタッフ。
80代になってもなお、厩舎作業を手伝ってくれる両親。
そして、責任ある立場にありながら、いつも皆の先頭に立ち、早朝の寝藁上げから、馬運車の運転、夜中の分娩監視まで、常に”馬第一”で働き続けているリーダー。
そんな、表に見えない努力が、報われた瞬間でした。
レース後、たくさんの方からメッセージが届き、玄関先には、お祝いの品が続々。
場はいっぺんに明るくなり、素敵な花の香りでいっぱいに。
感謝しかありません。
同じように頑張っている、この牧場の方々も、ライバルであり、仲間。
みんなに重賞勝利の日が来ることを願います。
気持ち新たに迎えた、日曜日。
リーダーは、早朝から、ひとり種付けに出発。
私は、昼前、スタッフに、珍しい鳥が来ていると聞き、1歳牝馬の放牧地に向かいました。
近年、3月になると、渡り鳥であるハクガンの姿を、近くの採草地で見かけるようになり、それかと期待して近付きます。
正体は、オオハクチョウでした。
雪がとけ、水たまりとなった場所の草を、夢中で食べています。
カモメやマガンよりも大きく、真っ白で目立つオオハクチョウ。
鳴きかわす声も聞きなれないためか、馬たちは、緊張気味。
逆に、ハクチョウたちは逃げもせず、午後にはさらに仲間を増やしていました。
明るい3月の日差しと、渡り鳥の飛来に春を感じ、心うきうき。
さて、今日、改めて、ジャイアンツコーズウェイのレース映像を振り返っていると、あることに気付きました。
栗毛の左肢が、2本とも白いのです。
クリノプレミアムと同じでした。
栗毛という点で、父オルフェーヴルにばかり目が行っていましたが、母の父ジャイアンツコーズウェイの血も、明らかに受け継いでいます。
さあ、これから、どんな走りを見せてくれるのか。
今年の競馬は、まだまだ続きます。
3月12日、中山11レース、中山牝馬ステークス。
父オルフェーヴルの5歳牝馬、クリノプレミアムが、優勝!
記憶は、今から16年前にさかのぼります。
2006年4月2日。彼女の母、ダンシングクイーンが誕生しました。
父は、Giant’s Causeway(ジャイアンツコーズウェイ)。
アメリカから、海を越えてやって来た母から生まれたのは、青鹿毛の美しい女の仔。
期待して競馬場へ送り出したものの、新馬戦1着のみの、4戦1勝で引退。
繁殖に上がり、その子どもたちに望みをつなぎました。
彼女が生まれた時に、ジャイアンツコーズウェイについて調べまくった私は、「この血統は、絶対にどこかで走る」と信じ続けて来たのです。
5年前の2017年、3月23日の夜。
その母の5産目で、父オルフェーヴルのクリノプレミアムが誕生しました。
男の仔かと思ったくらい、骨格の立派な女の仔。
(小さい時の様子は、カレンダーから、2017年3月を検索して、ご覧ください)
仲間と共に、のびのび、すくすくと育ったプレミアム。
4年前の今頃。
1歳3月に撮った画像です。
人間にはとても素直ですが、周りの仲間には時折、強気な面を見せていました。
緑いっぱいの5月。
当時の仲間たちと共に。
サマーセールに上場することになり、準備をしてのぞんだものの・・・。
当日の比較展示中に、まさかの放馬。
その直後に会場に到着した私でしたが、彼女を真剣に見る人は少なく、どんよりとした空気が漂っていました。
手塩にかけて育てて来た馬を、気遣うスタッフ。
「オルフェの牝馬は難しいよね」と私に話しかけて来た人がいます。
「いやぁ、普段はとてもおとなしい馬なんですがね」と返すしかありませんでした。
不安は的中し、セリでは一声もかからず、主取り。
その数日後に、リーダーより、今の調教師さんから声がかかったということを聞きました。
移動先の育成牧場でも、トレセンの厩舎でも、その気質から、ちょっとした逸話があるようです。
今から1年前に、2勝目をあげると、夏に連勝して、オープン入り。
ついに、思い描いていた重賞の舞台へ、参戦することになりました。
「いつかは、やってくれる!」
そう信じて、5戦目。
”荒れる牝馬のハンデ重賞”中山牝馬ステークス。
16頭立ての15番人気。
「荒れるなら、うちの馬しかないでしょ」と思ったのに、テレビ番組の予想コーナーには、名前なし。
調子が良く、本来の力が出せれば、チャンスはある・・・。
正座して、スタートを見つめました。
「よし、そうそう」
ただ一点、プレミアムの動きだけを追います。
「よしっ!そう!いけーっ!・・・・」
もう最後は、何を叫んだのか、全く覚えていません。
勝つなら、こういうレースだろうと、思い描いた通りの動き。
まさに人馬一体の、会心のレースでした。
感無量とは、このこと。
家族とスタッフ二人で、こつこつ。
どんなに忙しくても、休みが不定期でも、馬に寄り添い、勤め続けてくれているスタッフ。
80代になってもなお、厩舎作業を手伝ってくれる両親。
そして、責任ある立場にありながら、いつも皆の先頭に立ち、早朝の寝藁上げから、馬運車の運転、夜中の分娩監視まで、常に”馬第一”で働き続けているリーダー。
そんな、表に見えない努力が、報われた瞬間でした。
レース後、たくさんの方からメッセージが届き、玄関先には、お祝いの品が続々。
場はいっぺんに明るくなり、素敵な花の香りでいっぱいに。
感謝しかありません。
同じように頑張っている、この牧場の方々も、ライバルであり、仲間。
みんなに重賞勝利の日が来ることを願います。
気持ち新たに迎えた、日曜日。
リーダーは、早朝から、ひとり種付けに出発。
私は、昼前、スタッフに、珍しい鳥が来ていると聞き、1歳牝馬の放牧地に向かいました。
近年、3月になると、渡り鳥であるハクガンの姿を、近くの採草地で見かけるようになり、それかと期待して近付きます。
正体は、オオハクチョウでした。
雪がとけ、水たまりとなった場所の草を、夢中で食べています。
カモメやマガンよりも大きく、真っ白で目立つオオハクチョウ。
鳴きかわす声も聞きなれないためか、馬たちは、緊張気味。
逆に、ハクチョウたちは逃げもせず、午後にはさらに仲間を増やしていました。
明るい3月の日差しと、渡り鳥の飛来に春を感じ、心うきうき。
さて、今日、改めて、ジャイアンツコーズウェイのレース映像を振り返っていると、あることに気付きました。
栗毛の左肢が、2本とも白いのです。
クリノプレミアムと同じでした。
栗毛という点で、父オルフェーヴルにばかり目が行っていましたが、母の父ジャイアンツコーズウェイの血も、明らかに受け継いでいます。
さあ、これから、どんな走りを見せてくれるのか。
今年の競馬は、まだまだ続きます。
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